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RESULT2022年6月号 Vol. 33 No. 3(通巻379号) 最近の研究成果 東アジア起源のブラックカーボン排出量の検証 --> --> 池田恒平(地球システム領域地球大気化学研究室 主任研究員) 東アジアは人為起源のブラックカーボン(BC)*1排出量が最も多い地域であり、世界全体の排出量の約3割を占めます。BCによる気候や大気質への影響は、排出インベントリ*2による排出量を入力値として与えた気候モデルや大気質モデルによって評価されます。しかし、排出インベントリによるBC排出量の推計値には大きな不確実性が含まれていることが知られており、観測やモデルを用いた独立した手法による検証が重要となります。本研究では、国際的に幅広く利用されている6種類の排出インベントリを対象に、モデルと地上観測データを用いて中国からのBC排出量を検証しました。 *1ブラックカーボン:大気中を浮遊する微小粒子(エアロゾル)の成分の一つで、すす粒子や元素状炭素とも呼ばれる。BCの発生源には、ディーゼルエンジンの排気ガス、石炭の燃焼、森林火災、薪などバイオマス燃料の燃焼などがある。太陽光を吸収する性質があり、大気を加熱したり、積雪や海氷面に沈着したりして太陽光の反射率を下げ、雪氷の融解を促進することで気候変動に影響する。 *2排出インベントリ:発生源ごとの活動量と排出係数等に基づき、大気汚染物質や温室効果ガスの排出量を推計した一覧。 まず、6種類の排出インベントリについて2010年の中国からのBC排出量を比較したところ、推計値には約2倍の差があり、インベントリ間で大きなばらつきが存在することがわかりました(図1の横軸)。次に、各インベントリのBC排出量を大気化学輸送モデルに入力したシミュレーションを行い、アジア大陸由来の大気汚染の観測に適した長崎県福江島でのBC観測値と比較しました。中国からのBC排出量を検証するために、観測とモデルの比較には、中国起源BCの影響が大きくかつ、輸送途中で降水による大気中からの除去が生じていないデータのみを使用しました。 解析の結果、4つのインベントリについては、モデルと観測のBC濃度比が50%以内で一致し、観測やモデルの誤差を考慮すると排出量推計値に大きな誤差は見られないことがわかりました。一方、残り2つのCEDSインベントリとECLIPSEv5aインベントリについては、BC排出量の過大評価が示唆されました(図1)。CEDSインベントリは、IPCC第6次評価報告書で参照された第6次結合モデル相互比較実験(CMIP6)に使用された排出インベントリであり、CMIP6のシミュレーション結果において中国起源BCの温暖化影響が過大に評価されている可能性が示唆されました。今回の成果は、IPCC第7次評価に向けたモデル実験の改善に役立てられることが期待されます。 図1 横軸は6種類のインベントリの2010年における中国人為起源BC排出量。縦軸はモデルと長崎県福江島で観測されたBC濃度の比。モデルと観測のBC濃度比は、中国起源BCの影響が大きくかつ、輸送途中で降水による大気中からの除去が生じていないデータのみを使用して算出した。点のそばに各インベントリの名前を示す。 本研究の論文情報 Evaluation of anthropogenic emissions of black carbon from East Asia in six inventories: constraints from model simulations and surface observations on Fukue Island, Japan 著者:Ikeda, K., Tanimoto, H., Kanaya, Y., & Taketani, F. 掲載誌:Environmental Science: Atmospheres (2022) https://doi.org/10.1039/D1EA00051A 池田 恒平 IKEDA Kohei 主任研究員|地球大気化学研究室 谷本 浩志 TANIMOTO Hiroshi 副領域長|地球システム領域 2022年6月号 Vol. 33 No. 3(通巻379号) Future Earthとともに進める持続可能な社会変革に関する研究-第7回NIES国際フォーラム報告- 受け手側の視点で国環研のコミュニケーション活動を変えていく 小針真紀子広報室長に聞きました 【最近の研究成果】日本の影響評価で利用される気候予測の幅について考える 【最近の研究成果】中国のロックダウンによるCO2排出量減少の影響を与那国島でも検出に成功 【最近の研究成果】東アジア起源のブラックカーボン排出量の検証 【最近の研究成果】東アジアの水田が放出するメタン量を推定しました 地球環境研究センターニュースVol. 33[2022年度]2022年6月号 Vol. 33 No. 3(通巻379号) サイトポリシー ソーシャルメディアポリシー お問い合わせ c National Institute for Environmental Studies

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